三月前半

2008.03.01.
お父さんが豆乳を買って呉れて、豆乳を飲んだ。豆乳は、夢のように美味しい。お母さんが勤続三十年か何かで、折り畳みの自転車を貰った。それをお父さんが、車に積んで来て、病院から家まで自転車で帰った。

2008.03.02.
十時くらいから、シーツ替えで起こされた。それから、七時過ぎ迄ずっと車椅子に乗っていた。流石にお尻が痛くなった。リバーウォークに靴を買いに行った。今履いている靴は、東京の病院から北九州の病院に転院してきた、3/19から履いているから、かれこれ、一年近く履いている。ナイキのストラップシューズを買った。それから、スターバックスに行った。わたしは、抹茶クリームフラペチーノを頼んだ。お母さんが「ホット? アイス?」と訊く。わたしは、愕いた。フラペチーノと云えば、フローズンタイプのドリンクと相場が決まっている。「だから、フラペチーノ。」「だから、それは、ホットなの? アイスなの?」お母さんがボディーショップで、色んなフレグランスを試した。帰りに、お父さんが、「お前、臭い。トイレが付いて来ているみたい。」と云っていた。お父さんが、髪を洗って呉れた。

2008.03.03.
雛祭りで、ちらし寿司だった。それと、いちごソースのミルクゼリー。回診があって、仮免に合格した。小説を書き終わった。8月から書いていたから、およそ7ヶ月書いていたことになる。 今日は家族が来ないと思ったら、8時過ぎに、お母さんが来た。

2008.03.04.
作業療法士に「小説、終わったよ。」と云ったら、「そうらしいですね。」と云われた。だから、わたしが「なんで知ってるの?」と訊いたら、「自分で、朝、云っていたぢゃないですか!」と云われた。すっかり忘れていた。お向かいのおばちゃんとその娘がお見舞いに来て呉れた。お父さんがバナナオレを飲まして呉れて、マッサージをして呉れた。作業療法士が「お父さんに云わんないけん。娘さん、記憶障害が始まっていますよって。」と云っていたので、それをお父さんに云ったら、「そんなことは、前々から知っとう。」と云っていた。

2008.03.05.
弟が二日間ぐらい居なかった。お父さんが「看病が厭になって逃げたんよ。」と云っていた。だけど今日、来て呉れた。見捨てられたんぢゃなくて、本当によかった。九州国立博物館に行ったらしく、梅が枝餅をお土産に貰った。

2008.03.06.
今日から、学生さんが実習に来ている。去年もこの時期に、学生さんが来ていた。その時は、東京の病院だった。あれから、もう一年になるのか。学生さんは、のっけから、卵とじうどんで、食事介助が大変そうだった。弟が風邪具合が悪いそうで、来なかった。お父さんが、豆乳とチーズケーキを買って来た。

2008.03.07.
パソコンをしている時、学生さんがずーっと隣で、見ているので、緊張する。今日は、具沢山汁で、やっぱり食事介助が大変そうだった。でも、学生さん、驚異的に食介が下手。デイジー図書で、夏目漱石の「草枕」を聴き終わった。

2008.03.08.
わたしは五階だ。だけど、作業療法士が、エレベーターのボタンを押し忘れていて、七階に行った。だいぶ見晴らしが良い。今日はわたし以外の家族三人は、文楽を観に行った。弟は夜の部も観に行ったらしい。お父さんが豆乳を買って来て呉れた。

2008.03.09.
看護士さんたちがブログを見ているらしい。「今日は、ドラえもんがトイレする夢は視てないと?」と云われた。看護士さんのお手伝いをした。電動車椅子で荷物を運んだりした。弟に耳掃除をして貰った。耳掃除は、弟の趣味だ。「一寸お父さんもさせて。」と云って、父親のもしていた。ソファーに座っていた。弟が背中を押した拍子に、ソファーから落ちた。それで、歯を打った。豆乳を飲んだ。

2008.03.10.
子供を産む夢を視た。今日も看護士さんのお仕事のお手伝いをした。お父さんが髪を洗って呉れた。それでお父さんと弟に髪を乾かして貰った。お父さんに前髪を切って貰った。途中迄だけど、「悪い男」と云う韓国映画を観た。

2008.03.11.
冷蔵庫にプリンを置いていた。それが無くなった。看護士さんに云ったら、「大体誰か判ってるんですけど、明白な証拠がないので。」と云われた。豆乳を飲んだ。「悪い男」を最後まで観た。悪かった。

2008.03.12.
お昼ご飯が親子丼だった。親子丼と云うのは残酷なネーミングだと、改めて思う。それと、胡麻豆腐。胡麻豆腐は、この世の中で、一番好きな食べ物だ。看護士さんがナースコールで行ったら、鼻毛を切ってくださいだったらしく、「わたし、鼻毛を切る為に、この資格を取ったんぢゃない。」とキレていた。それで看護士さん達と鼻毛クラブを作った。その看護士さんともう一人の看護士さんが、会長と副会長で、わたしが書記。患者さんが看護士さんに何事か云う。「ユアゴールドを預けている?」暫くして戻って来た看護士さんが「これ、ユアゴールドぢゃないよ。これは、ヤクルトやが。」と云う。ユアゴールドとヤクルト。お父さんが豆乳とプリンを買って来て呉れた。

2008.03.13.
やっと今日から学生が居ない。昼ご飯を食べ終わって、散歩していたら、夜勤で帰った筈の看護士さんが居た。私服の彼と暫く相手して貰った。

2008.03.14.
デイジー図書で、「人はいつから殺人者になるのか。」を聴き終わった。弟が髪を洗って呉れた。それで、弟とお父さんが、乾かして呉れた。

2008.03.15.
友達に手紙を書いている。病気のことを打ち明けようと思って。クッキーを食べて豆乳を飲んだ。

二月後半

2008.02.16.
久し振りに弟が来た。大阪に行っていたのだ。フェリーの中でお土産を買おうとしたら、売り切れだったと云って、九州限定の、じゃがりこ明太子味を呉れた。

2008.02.17.
田中律子が核兵器を持っている夢を視た。夢だから、支離滅裂だ。わたしは大学時代、クイアサークルに所属していたので、世の中の人の大半はゲイかオネエかと思っていたんだけど、どうやら、そんなことはないらしい。「ミカヅキさんの大学でもそんな人いましたか?」と云われて、気付いた。弟が来て、わたしを車椅子に乗せた。だげど、靴を忘れた。看護士さんがそれを見咎めて、「靴をどうしたの?」と云われた。「cooco?それかヤイコ?」と云われた。相当笑った。

2008.02.18.
回診で仮免に落ちた。バックミラーを全然視ていないと云うのだ。弟とファミリーマートにぷっちんプリンを買いに行った。お父さんがたくさん呉れた。髪も洗って呉れた。

2008.02.19.
昨日、買ったプッチンプリンを食べた(プッチンプリンは、カタカナ表記らしい)。一つ250kcalもあると、半分お父さんが食べた。「俺、初めて食べたかも。これ案外美味しいね。俺、ケーキ屋さんのプリンしか食べたことない。」とお父さんが云う。「プッチンプリンはこの安っぽい味が美味しい。」とわたしが云ったら、「そんな、失礼な。」と云われた。熱が出た。昨日、作業療法士が熱発していた。それで、みんなが、○○(作業療法士の名前)菌と云った。○○菌の主な症状は、お腹が空いて堪らなくなるらしい。○○さんの特技は大食いだ。

2008.02.20.
ご飯を食べる時、担当の看護士が食べ物を送るとき、歯で押し込むんぢゃなくて、唇で運ぶの。あとね、食べ物が目の前に来るまで、口を開かないの。あんた、食べよう時、物凄い不細工よ。と云われた。

2008.02.21. デイジー図書で、夏目漱石の「虞美人草」を読んだ。読むと云うより、聴くだ。頗る面白かった。わたしもいつか、あんな小説が書けるようになりたい。

2008.02.22.
カンファがあった。カンファは36日周期で、カンファの日に必ず生理が来る。凄い奇跡的なタイミングで、今日もなった。前は、半年に一度くらいしかなかったけど、わたしも健康になったものだ。カンファの席でお父さんが「いずれは家で看たいと思っています。」と云って呉れた。わたしは、施設にでも入れられるかと思っていたので、うれしかった。「どうですか?」と訊かれたので、「嬉しい。」と、号泣した。

2008.02.23.
小島よしおがムーディ勝山の歌を歌った、夢を視た。今日は、お風呂が凄く気持ち良かった。シャンプーも痒いところに手が届く感じで、生理中だから湯船には入れないだろうと思っていたのだが、最後だということで入れて呉れた。一年以上振りに豆乳を飲んだ。夢のように美味しかった。昨日の話し合いを受けて、精神科医に、手紙を書いた。シュレーディンガーの猫を家族の誰も知らなかった。

2008.02.24.
小説が佳境だ。クライマックス。もうちょっとでエンドマークがつけられる。だけど、日記のように書き進めてきたものなので、いざ、終わらせようと思ってもなかなかに難しい。でも新人賞の締め切りが3月末なのだ。なかなかに良いペースだと思う。

2008.02.25.
弟が髪を洗って呉れた。その時に、「お父さん、ばあちゃんの所に行くっち云いよったやろ?」と云う。わたしが「憶えてない。」と云ったら、「怖い。リアル夢囲いやん。」と云われた。「夢囲い」と云うのは、わたしが夏に書き上げた小説で、夫の寝言に答え続けている内に、夫が夢の世界に固定されると云うものだ。弟と一緒に「パプリカ」と云うアニメ映画を観た。

2008.02.26.
言語聴覚士がお休みの時はKさんに代わりに入って貰うように頼む。でも、このKさん、ちっとも来て呉れない。それで、この前、呼び出して、何でいつも来て呉れないのかと訊いた。そしたらいつもは、言語聴覚士に頼まれてないのだと云う。それを、言語聴覚士に云ったら、「でも、カルテに、Kさんのサインがありますよ。」と云われた。あんまり莫迦にしないで欲しい。

2008.02.27.
「秒速5センチメートル」と云うアニメ映画を観た。秒速5センチメートルと云うのは、桜の花の散る速度だそうだ。弟と一緒にファミリーマートに行った。作業療法士がラルクのライブに行って、パンフを貸して呉れて、ラルカンを呉れた。そのお礼を買った。たけのこの里の抹茶味。

2008.02.28.
家族が誰も来なかった。遂に見捨てられたか。小説がもうちょっとで終わりそうだ。

2008.02.29.
閏年の今日は、友達の誕生日だ。忘れずに、メールを書こう。車椅子の肘置きが壊れた。理学療法士が作業療法士に「肘置き、直った?」と訊いた。作業療法士が「強引に直しました。」と云ったら、「それは、直したとは云わん。取り繕ったやろ。」と理学療法士が云う。取り繕った。弟が「昨日来たよ。話したやん。憶えてないと?」と云う。お父さんに訊いても、同じことを云う。それぢゃあわたし、寝惚けていたのかなと半分位信じ掛けた所で、実はそれは嘘で二人で口裏を合わせていただけだと、判った。

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